google+の発表から幾日かが経過し、ネット上でもローンチの話題よりその内容についての議論や、なによりそのものが落ち着いてきたような気がする。
果たしてgoogle+が求めているものは何なのか。
SNSとは何なのか、若輩者として想うことをあげてみる。
先ず、googleそのものについて。
Googleをアイデンティファイしているものは、Webの検索を画期的に効率化するPageRank技術であり、「世界中のオンライン情報を組織化する」という使命に燃えたGoogleは、10年あまりで「キーワードを入力してWEBを検索をする=情報にアクセスする」いうやり方を一般人に定着させることに成功した。これは、我々が「情報を探す」ことにおいて全く新しい概念となる。インターネット以前の検索は、辞書や百科事典、専門誌、雑誌のような「その場、その形でパッキングされた情報」にアクセスすること、その情報ソースをどれだけ持っているか、そしてそのアクセス方法やノウハウが「情報を探す」ことについての個々の差別化項目であった。
さらにその情報価値を高めたり、フィルタリングすることで最短の、そして最良の「質問」により、肥大化する情報の中からスいータブルな情報へアクセスすることを可能にした。
「○○ + 割引き」「○○ + 人気ランキング」
(○○には、家電、映画、ホテル、コンサートチケット、レストラン・・・様々入る)
もちろん、それぞれにおいては、ぐるなびやWikipedia、価格コム等、独自のWEBサービスが存在する。しかし、まず始めにgoogle、という人もいるのではないだろうか。
ただし、昨今、以前にも増して情報が肥大化し、更にその質も低下している。パンダアップデートという対策も採られているとはいえ、人が真に情報に到達することが難しくなってきていることも事実。
では一方で、昨今のソーシャルネットワークでの、ある種の情報収集、またはQ&Aはどうだろうか。
Yahoo!知恵袋など、様々な質問という名の情報収集があり、
またツイッターでの「ツイートという名の質問」について、フォロワーが回答してくれたり。
その内容の確度は別にして、もしそこに「この人は大丈夫」というレーベル・ステータスが存在すれば、その回答はある種の「人いう名の、確度向上のためのフィルタリング」がなされることになり、質問者にとっては有益な情報になりうる。
Facebookは、おそらく(というのは私はやってないので偉そうにいえない)、ある特定の人々の輪の中において、それが信頼されたグループであれば、その情報はとても有益であるという前提のもとに収集できることを意味する。現時点で7億5000万人を越えたFacebookは、実際には膨大な情報共有システムであり、情報検索システムなのだろう。
googleは、人の「ある定型の(フォーマットに沿った)質問」において、ある「ロジック」によりフィードバックされる「情報」であるが、そこにおそらく不自然さやミスマッチが生じたりする。
しかしながら、SNSでは、「非定型の(どちらかというと人間の言語に限りなく近い)質問」において、「人」によってフォードバックされること、またあわせて「人」をフィルタリングできるという情報の確度の高さがある。
検索して受動的に情報を得るより、そこに行ったことがある人に聞いてみることが一番早いだろう。その点がFacebookの強みであると想う。
Facebookを越えることがgoogleの道なのか、既に「検索エンジン」としての広大な領地を保有しているgoogleが、例えばアカウントに個人情報(Facebookライクな)を義務付ける日がくるのか、そのときに人々はどういう選択肢を取るのか(少なくとも日本ではツイッターのレコメンド機能ですら「拒否反応」を示すお国柄だが)、非常に興味深い。
・・・デザインがわかりやすいことだ。それもそのはず。アップルの元祖マッキントッシュ・コンピュータの開発メンバーで、今はグーグルに在籍するアンディ・ハーツフェルドがデザインしたとのことで、アップルのインターフェイスのように使いやすい。見た目もすっきりときれいだし、使い勝手もいいというのは、エンジニアっぽさが目立ついつものグーグルのサービスとは、ちょっと違った感じである。
そう。UIは現在、より一層重要なファクターになってきている。
ハードもソフトも、以前とは違うのだ。確実に差別化できるポイントになってきている。
Google+はフェースブックより「まともな」SNS | @シリコンバレーJournal | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイトもうひとつ感心したのは、SNSをやっと「まともな」ところへ持ち上げてくれたことだ。それは「サークル」という機能のおかげである。
サークルは、グーグル・プラスの最大の特徴と言ってもいいが、これはSNSでつながりたい人々を、たとえば「友人」「知人」「家族」「仕事仲間」「遊び仲間」といったような分類に分ける機能である。
分ける操作も簡単で、ドラッグ&ドロップ、つまりその人の写真を選んでそのサークルへ移動させるだけで完了する。また、サークルの呼び名は何でもよくて、好きな名前をつければいいし、自分でどんどん細分化して数を増やすこともできる。サークルの名前や誰がどこに入っているかは、自分にだけしかわからない。
さて、このサークルは、われわれの正直な世界観にとても合致してはいないだろうか。
Facebookでは、「みんなが友達」で「情報はみんなと共有する」のが当然とされている。もちろん機能上は、友達をグループに分けたり、プライバシー設定で誰に何を公開するかを選べたりするのだが、その方法があまりに煩雑で、たいていのユーザーは友達をまとめてひとつの容れ物に入れたままにしているはずだ。そのおかげで、何をやっても何を言っても、友達どころか、広い世界に向かって発表しているような堅苦しさがつきまとっていた。
google+では、サークルによって共有したいことを分けることができる。サークルごとに、親密さやオフィシャル度を使い分けることが可能になる。また、そもそも「友達」という脅迫感から開放されるのが嬉しい。知っている人はいろいろいるけれど、その中には親しい関係の人、それほどでもない人などがいるだろう。そういう人たちを、友達か、そうでないかで分けるのではなく、各々それなりのサークルに大切に納まってもらえるのだ。
無理強いも妥協もないので、このサークルは使い物になる。たとえば、グーグル・プラスの機能には、「ハングアウト(仲間とビデオチャットできるよう、ライブ状態にしておくこと)」や「ハドル(複数の仲間とテキストメッセージングし合えること)」などがあるが、それを特定のサークルの中だけで機能させることができるのだ。このグーグル・プラスの中だけで、かなりの交友関係の操作が可能になるだろう。
そう。何事もレベル感を自分で決めることが重要なのだろう。
しかし既に7億人を軽く越えたFacebookが、それをやり始めたら、google+の差異化項目が無くなるかもしれない。またユーザーが何を期待しているかにもよる。
「もはやユーザー数に意味はない」FacebookのCEOが提唱する「シェアの法則」【湯川】 : TechWave「ユーザー数を伸ばすことがZuckerberg氏にとって最重要課題」という話が、これまであちらこちらから聞こえてきた。同氏自身「これまでの5年間はユーザー数を伸ばすことが最も重要だった」ことを認めた。しかしこれからの5年間は違う、と同氏は言う。
「多くの人がFacebookユーザーはいずれ10億人に達すると考えている」と同氏は言う。そして自然とそうなるのだろう。だからそこに注目してもあまり意味はない。
それよりもこれからの5年間は情報共有件数を最も重要な指標として注目していきたいという。同氏によるとFacebook内でのユーザーの活動データを見ると、「近況」を書いたり、「いいね!」ボタンを押したり、「写真」をアップしたりという情報共有の1ユーザー当たり平均件数は、1年で2倍になることが分かった。一定の法則性が存在するというわけだ。
そしてこの法則性が事実だとすると、来年の一人当たりの情報共有件数は今年の倍に、再来年は4倍に、3年後を8倍に、4年後は16倍に、5年後は32倍にと、指数関数的な増加を続けることになるという
何をもって情報共有件数を定義するかということは、定量的ではあるものの、定性的な側面もあるので何ともいえないところだが、確かにどれだけ情報を発信し、情報を受け取れるかという本来のWEBの「Give and take」の精神が、ここにきて各自に問われることになるのかもしれない。
「日本人は受身の国民性なので」などと言っている場合ではない。3年後に今の8倍、5年後に32倍も社会が情報発信、情報共有する時代になるという前提で、これからのサービスを開発していかなけらばならない。またそうした時代に向けて、自分はどのような価値を提供できる人間になっておくべきかを考えないといけない、ということなのだと思う。
google+は未だ完璧なSNSの姿ではないだろう。未来のSNS は、信頼感や尊敬心といったものを育むべきだとも言われる。だが、google+が人間関係の微妙なニュアンスをちゃんと拾い上げたところは、大いに評価でき、更にはFacebookはSNSを人と人のつながりから「情報共有」への道へ進んでいることも確か。
そういう点では、goalは一つだが、それを取り合うのか、共存するのか、互いに別のセグメントでの王者でありベースを持っている企業だけに、今後注目である。
今回はFacebookを使っていない素人の視点で書いてみた。
これらも、実際に使っていない中で、WEBの情報から書ける内容でもある。
この記事を書くにあたり利用しているサービスは、ツイッター、はてブである。
もうそろそろ考えないといけないかなぁ・・・SNS。
参考:
Googleのソーシャル化の方向性は間違っているのではないか?